ホテル・ド・ラ・シテ カルカソンヌ (スーペリアルーム ガーデンビュー)
カルカソンヌでは、城壁の中の”シテ"にあるこちらのホテルに泊まりました。
旧司教邸を改装した建物で、聖堂の隣に位置し、室内からは塔や城壁の外の街や景色が見えました。シテの中のホテルを何件か見かけましたが、こちらのホテルがもっとも立地の良いのではないかと思いました。
場所
SNCFのカルカソンヌ駅からは、シテまで徒歩で30分程度、車で10分程度かかります。 さらに、自家用車やタクシーは”シテ”の中には入ることができませんので、ホテルの車に乗り換えて、ホテルの前まで連れて行っていただきます。
観光客の溢れるナルボンヌ門や城壁を抜け、車で進むのは、ちょっとした優越感を感じてしまいます。
スーツケースを抱えての徒歩の移動は大変厳しいと思いますので、ホテルの予約時に、上記の車の手配をすることをお勧めします。駅、シテの駐車場、それぞれで、到着時には車が待ってくれていたためスムーズに移動できました。
客室
部屋に向かう廊下やエレベータも、大変、雰囲気があります。
ホテルの係りの方は部屋までの案内の途中で「とても素晴らしいお勧めの部屋だ」と言っていました、間違えて行ってしまった向かいの部屋について。「でも、こっちもリフォームしたばかりで同じくお勧め」と、焦りながらフォローしてました。
窓からは、美しい中庭と塔や外の市街地、それに青空が見える最高に気分が高まる確かに良いお部屋でした。
室内は、上品で統一感のある家具に囲まれ、優雅でくつろぎの空間となっていました。シテの雰囲気をそのまま感じ続けたいから、内部のホテルに泊まっているわけです。期待を裏切ることない室内の様子でした。
水周りも、古い建物とは思えないほど清潔感があり、かつ雰囲気を壊さないようにリフォームがなされていました。
マット、バスタオル、ハンドタオル、バスローブ、ドライヤーが用意されています。ドライヤーは、きちんとした普通のハンディ式のものでした。
蛇口やハンドル、シャワーヘッドは、それすらも絵になる感じでした。
アメニティ
アメニティは、『DAMANA』というブランドのものでした。
栄養ドリンクのように見える瓶に、シャンプーやリンス、ボディローションなどが入っていました。オシャレ感が高すぎて、ちょっと照れます。いずれも、甘く上品な香りがしました。
ラウンジ
ホテルの奥には、ゆっくりとくつろげるサロンがあります。(飲食物はありません)
私が泊まった部屋の軽やかな上品さとはまたちがったテイストで、室内の調度品が、豪華で重厚感の溢れる空気を作っていました。
食事(朝食)
朝食は、ホテルのメインダイニング『La Barbacane 』で取ることができます。
初日以外に他の宿泊客を見ることがなく、この空間を毎朝独り占めしていました。
パン。出来立ての本場のバゲットというのは、こういうものなのかと。パリパリの皮が香ばしく、バターと小麦の香りが食欲を誘い、一本丸ごと「もしゃもしゃ」食べたい衝動に駆られてしまいました。
こちらのパンを作っていた方と偶然チェックアウト時にお目にかかることができたのですが、「日本の沖縄にいたことがある。世界は狭いね」と言ってました。
そのバゲットには、『ボルディエ』のバター。無塩バターのようでした。無塩バターをパンに付けて食べる機会があまりないのですが、こってりなめらかな感触とうっすら甘いコクのある風味が、バゲットにぴったりでした。
パンケーキと、蜂蜜やメープルシロップ。パンケーキの奥のものは、砂糖がうっすらとまぶされたクラッカーのようなものでした。「ローカルの職人技のもの」ってプレートは、郷土料理とか名物料理ということでしょうか?
シリアルも。
生ハム数種類とサーモン。
チーズも何種類も用意されています。
ホットミールは、ソーセージやベーコン、スクランブルエッグ、マッシュルーム、焼トマトでした。
その他に、卵料理を注文することができます。
飲み物。ジュースが数種類。コーヒーや紅茶も、頼むことができます。
フルーツも種類豊富でした。
ヨーグルトも『ボルディエ』。うっすらとフランボワーズ風味がする、濃厚な味のヨーグルトでした。
食事(夕食)
夜の『La Barbacane 』にも訪れてみました。
オフシーズンにもかかわらず、レストランは満席になっていたので驚きました。予約が必須だと思います。なお、火水はお休みなので注意が必要です。
まずは、シャンパンを、たまにはロゼで。Billecart-Salmon Brut Rose。
アミューズ。
野菜をムース状にしたものでした。
スターター。フォアグラと鴨肉。グレープフルーツとマーマレードのソース。臭みが全くなくクリーミーなフォアグラと、塩味のきいた熟成された鴨肉はソレだけでも美味しいのですが、ソースをつけるとさらに爽やかさがプラスされました。
メイン。牛フィレ肉とジャガイモとトリュフのチュロス。柔らかいフィレ肉とふんだんに散りばめられたトリュフが贅沢でした。また、チュロスの食感がいいアクセントだなぁと感心しました。
アヴァンデセール。イチゴと生クリーム。
グランデセール。メレンゲとレモンのタルト。甘酸っぱいレモンの風味のシャーベットと、さっくり香ばしいタルト生地が
エスプレッソとプテイフール。
アラカルトで、前菜・主菜・デザート(グランデセール)に、ランドックの赤ワイン(グラス)とエスプレッソで、110 EURほどでしたが、お値段の価値以上に楽むことができました。
料理の味はいうまでもなく、サービスもしっかりしている点は、大変感心させられました。
満席で忙しい中でも、支配人らしき方やウェイターの方が様子を尋ねてきてくださったり、デザートのお勧めを聞くと、「今食べたxxxの後だとyyyがお勧めです」と、テンポの良さと言い回しが、「あ、それいいな」と思わせるスマートな勧め方でした。
また、ソムリエの女性も、自分がワインがあまり好きではないがせっかくなので料理に合うものをと伝えたところ、たかがグラスワイン一杯にもかかわらず、酸味や果実味やスパイシーさなどの違いを細かく説明して、真面目に考えてくださいました。
しかし、自分で注文した料理は、メニューにも書いてあるので覚えているのですが、それ以外は「スモークしたラディッシュとなんとかのスープっていってたなぁ。。。。」程度しか聞き取れませんでした。本格的な料理や食材の名前は難しいなと痛感してしまいました。
バーラウンジ
行くことはありませんでしたが、一応、レストランの手前にあったのでパチリ。
その他
ホテルでは、朝食時は結構年配の女性が切り盛りしていたのですが、宿泊客も少ないせいか、あるいは連泊する客が珍しいのか、とても親切にしていただきました。
その方に、「ここのは美味しいから是非に」と勧められたのが、このアスパラのオムレツでした。
絶妙な茹で加減のアスパラの輪切りが爽やかで、見た目にも美しいオムレツでした。旅先で稀に「死ぬまでにもう一度たべたい。」「食べるためだけにその場所に行っても良い」と思わせてくれる料理に出会うことがあります。私にとって、このオムレツは、そんな料理の一つとなりました。 「美味しかったよ!」と伝えると、「おいしかったのー?」と本当に嬉しそうに喜んでくれたのが印象的でした。
リゾートでのんびりも、都市部でエンターテイメントを楽しむのも良いですが、田舎で人の温かさに触れるというのも良いものですね。まさか、ヨーロッパでそのような経験をするとは思いませんでした。
つづく。
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